
抹茶の木は存在しない
少し前、抹茶の飲み比べを体験しました。色や香り、味わいの違いを楽しみながら、目の前にある抹茶そのものに夢中になっていました。そんな一杯を思い出すきっかけになったのが、最近知った、生きている神戸牛はいないという話です。神戸牛とは牛の種類ではなく、兵庫県産の但馬牛の中から、肉になったあとに厳しい基準を満たしたものだけに与えられる名前なんだそう。では、抹茶になる前は何と呼ばれているのでしょう。
茶畑にあるのは、チャノキ
茶畑に抹茶の木という種類の木が生えているわけではありません。畑にあるのは、チャノキ。抹茶づくりに向いた品種や、原料を育てる茶園はありますが、木になっている葉を、そのまま抹茶と呼ぶことはありません。
葉が抹茶になるまで
抹茶の原料となる茶葉は、収穫前の一定期間、茶園を覆って日光を遮りながら育てられます。摘み取った葉を蒸し、揉まずに乾燥させて作るのが碾茶(てんちゃ)。そこから茎や葉脈などを取り除き、細かく挽くことで、ようやく私たちが知っている抹茶になります。神戸牛と抹茶では、名前が付く仕組みは異なります。それでも、最初からその名前で存在しているわけではなく、いくつもの工程を経て、私たちが知る姿になるという点は少し似ています。
完成した姿しか知らなかった
私はお茶を勉強するまで、このことを知りませんでした。世界中から抹茶が注目されている今、日本人である私たちが、その背景を知らないままなのは少しもったいない。抹茶が抹茶になるまでには、茶畑での栽培から碾茶づくり、仕上げ、粉挽きまで、長い工程があります。その一つひとつを、これからのお茶活で実際に見に行きたいと思っています。