
日本酒では知っていたこと
焼き鳥を食べに行ったはずなのに、気づけば日本酒を楽しんでいる。そんなことがあります。おいしい料理には、おいしいお酒。でも、ときにはその関係が逆転することもあるんですよね。
焼き鳥と日本酒
焼き鳥屋さんに行くと、もちろん焼き鳥を楽しみにしています。塩にしようか、タレにしようか。どの部位を食べようか。メニューを眺めながら選ぶ時間も楽しいものです。そこに、おいしい日本酒が登場すると、少し事情が変わってきます。この日本酒、おいしい!と思った瞬間から、次は何を食べようかではなく、このお酒には何が合うだろう、と考え始めるのです。さっきまで主役だった焼き鳥が、いつの間にか日本酒を引き立てる存在になっている。この逆転が、なんとも楽しい。
食べ物が、飲み物を引き立てる
普段、飲み物は食べ物に合わせて選ぶことが多い気がします。お肉には赤ワイン、お寿司には日本酒、ケーキには紅茶。まず食べるものがあって、それに合う飲み物を考える。でも、逆でもいいんですよね。好きなお酒があるから、それに合う料理を注文する。飲み物のおいしさをもっと楽しみたくて、食べ物を選ぶ。食べ物が脇役になるといっても、決して存在感がなくなるわけではありません。むしろ、お互いの味が引き立つことで、どちらもおいしく感じられる。そんな関係が面白いと思います。
日本茶でも、同じことが起きる
日本茶と和菓子も、考えてみれば同じです。おいしそうな和菓子を買ってきたから、煎茶を淹れる。これは、とても自然な楽しみ方です。でも最近は、逆のことも考えるようになりました。この煎茶をおいしく飲みたいから、何か甘いものを合わせてみよう。例えば、渋みのある煎茶なら、少し甘さの強い羊羹がいいかな。香ばしい棒ほうじ茶なら、皮の香りが楽しめるお饅頭もよさそう。和菓子を選ぶ基準が少し変わります。そして実際に合わせてみると、思っていたほど合わなかったり、意外な組み合わせがおいしかったり。
お茶でも、同じことができる
お酒では、こういう主役の逆転を何度も経験してきました。でも、日本茶でも同じことができるとは、以前は考えたことがありませんでした。和菓子を食べるためにお茶を淹れたはずが、お茶がおいしくて、次は何を合わせようかと考えている。いつの間にか、主役がお茶になっている。お酒では当たり前に楽しんでいたことが、日本茶でもできる。それを知れて、楽しみが増えました。