
和三盆と煎茶、お互いを調整し合う関係
名古屋の老舗和菓子店、美濃忠のお菓子を煎茶と一緒にいただきました。そこで改めて感じたのが、和三盆と煎茶の組み合わせのすばらしさです。
甘さが消えて、また食べたくなる
和三盆を使ったお菓子は、口に入れるとほろほろとほどけ、やがて姿がなくなります。それなのに、口の中には甘さの余韻が残る。この感じがなんとも不思議です。煎茶をひと口飲むと、残っていた甘さがすっと流され、口の中が一度リセットされたように感じます。もう一度甘いものを食べたくなる。和菓子、お茶、和菓子、お茶。この繰り返しがとても心地よいのです。
お茶が甘さを消すだけではない
面白いのは、煎茶が和三盆の甘さを調整してくれるだけではないことです。甘いものを食べたあとに煎茶を飲むと、煎茶の苦味や渋味がいつもより穏やかに感じられ、香りや旨みがふっと前に出てくるように感じることがあります。つまり、和三盆には煎茶が必要で、煎茶にも和三盆がよく合う。どちらかが主役で、もう一方が引き立て役なのではなく、お互いの強いところを少しやわらげながら、それぞれのおいしいところを見せてくれているようです。
「合う」とは、味を調整し合うことなのかもしれない
昔から日本では、甘い和菓子と少し苦渋味のあるお茶が一緒に楽しまれてきました。長く続いてきた組み合わせにはちゃんと、また食べたい、また飲みたいと思わせる心地よさがあるのでしょう。和菓子と煎茶のペアリングは、単に相性がいいというだけではなく、口の中でお互いの味を調整し合うことで完成するものなのかもしれません。まだ出会っていないいろんな和菓子を、もっと探してみたくなりました。